外国人留学生のためのキャリアデザイン授業:日本での「働く」を見据える
なぜ外国人留学生にキャリアデザインが必要か?
多くの外国人留学生にとって、日本での就職活動は、母国とは異なる独特なルールや慣習が多く、戸惑いを感じるものです。
日本語能力に加え、日本のビジネス文化への理解、そして何よりも自分自身の将来の目標を明確にする作業が欠かせません。
専門学校や日本語学校における「キャリアデザイン」の授業は、彼らが日本で、あるいは母国に戻ってからも活躍できるための土台作りとして重要な役割を担っています。座学中心ではなく、ロールプレイも行いながら「自分の人生をデザインする」ための羅針盤を提供します。
目次
どんな授業内容を展開しているのか
キャリアデザインの授業では、外国人留学生が日本でのキャリアを成功させるために、以下の3つを確立することを目的とします。
1. 自己理解と進路の明確化(Self-Analysis & Goal Setting)
日本でのキャリアを考える上で、まず自身の強み、価値観、興味・関心を深く掘り下げます。
- 自己分析(パーソナルヒストリー): 過去の経験から得たスキルや、得意なこと、苦手なことを言語化し、長所と短所を客観的に把握します。
- キャリアゴールの設定: 「日本での就職」「大学や大学院への進学」「母国に戻っての就職」など、複数の選択肢のメリット・デメリットを理解し、早期に進路を明確にします。
- 価値観の言語化: 「仕事を通して何を成し遂げたいか」「どんな働き方をしたいか」といった職業観・人生観を明確にします。

2. 日本社会と業界・企業研究の理解(Understanding Japan’s Business Culture)
日本特有の就職システムと、多様な産業に対する理解を深めます。
- 日本の雇用慣行とビジネス文化: 新卒一括採用、終身雇用制度(の変化)、ビジネスマナー、企業で求められるチームワークや報連相(報告・連絡・相談)文化など、日本独特の慣習を学習します。
- 業界・企業研究(IR/OB訪問): 興味のある業界の構造や動向、さまざまな職種の具体的な仕事内容を調べます。授業の中で企業説明会を実施したり、卒業生を招いて話を聞く機会を設けることもしています。
- 外国人留学生キャリア形成促進プログラム: 文部科学省によるこのプログラムなど、留学生向けの支援制度や動向についても情報提供します。
3. 実践的な就職活動スキルの習得(Practical Job-Hunting Skills)
日本の採用プロセスに対応するための具体的なスキルを磨きます。
- 応募書類の作成: 日本の企業文化に合わせたエントリーシート(ES)や履歴書の書き方を指導します。特に、留学生が苦手意識を持つ「志望動機」や「自己PR」の説得力あるまとめ方を重点的に学びます。
- 面接対策: 個人面接や、留学生にとって難易度の高いグループディスカッションの模擬練習を繰り返し行います。面接時の日本語の表現や非言語コミュニケーション(態度、表情など)についてもフィードバックします。
- 筆記試験・SPI対策: 日本の多くの企業が採用する適性検査の傾向と対策を、授業の冒頭などを利用して体系的に学習し、自主的な学習習慣を身につけます。
※最近の就職活動では、手書きスタイルの履歴書は少なくなってきており、データで作成しデータで送付することが多くございます。学校指定履歴書をデータ化し、各学生に紐づけした履歴書データ作成を行うことも可能です。

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